みけまねブログ
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【アンチ整理術 森博嗣】 頭を使え!!

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「孤独の価値」に引き続き、森 博嗣氏の本を読んだ。
氏の本は、思索に富んでいて、
大いに納得する点が多い。
そして、そういう考え方もあるのか!と
新しい気づきをもらえる。
それがとても快感で、
自分の中に残しておきたいって切に思うのである。

私にはとても心地良い著作であった。

自分の仕事や生き方について、本を読んで参考にしよう、と思うだけで、その人は成功者のグループに入る条件を満たしているだろう。まず、日本人の半分くらいは、本など読まないし、活字を読んでも意味を頭に展開できない。だから、文字を読めるという基本的な能力に加えて、自分の人生を向上させたいという意欲を持っているだけで、何事にも積極的になれるはずだ。これが、成功を導く要素となる。意欲というよりも、能力といっても良い。

どんな情報も、それを役に立てようと思えば役に立つ。逆に、こんなものは自分とは関係のない世界だ、これを書いた人はただ自慢したいだけだ、というふうに受け取る人は、同じ情報を活かせない。得をするか損をするかは、その人次第なのである。 P8

この部分には大いに励まされた。
こうしてブログに書いているのも、
私が価値ある本の内容を忘れないため。
ある種の防備録である。

どんな情報もその人次第。

こうして書いていることも
ひとつの能力だといえる。

次の文章も妙に納得した。
私は労務士試験に相当時間をかけている。
あの時間。
1点落ちばかりだったが、
確かに充実していた。
ほぼ無の境地だった。

落ちたときは悔しかったが、
今思い直せば、
勉強って楽しいと思っていた気がする。

能力が低い場合には、その分時間をかけて人よりも余計に努力しないと、同じ目的に到達できない。だが、これを「損」だと考えるかどうかは、人によって異なる。他者と比較するような競争のような場合には、時間が短い方が有利であるけれど、自分の好きなことに打ち込んでいる場合ならば、目的になかなか達しなければそれだけ楽しい時間が増えるのだから有利である。 p9

こんな捉え方もあったのね・・・
一人、感心したのである。

著者が大学にいる頃、学生から相談を受けたことがあるという。

なんとなく、大学から足が遠のいて、講義をさぼってしまう。
勉強についていけなくなる。
そのため留年してしまう。
聞けば、その学生なりにいろいろ悩みがある。
その繰り返して著者が気がついたことがあるという。

第1には、事情を良く聞いてやることが重要である。こちらからは何も話さない、意見をいわない、感想も言わない。ああ、そうなんだ、と頷くだけで良い。そして、全然違う話題を持ち出すのが良いようだった。たとえば、相手が映画がすきだったら、何かおすすめはないかと尋ねる。

そんなふうにして、話が出来るような関係をまず作る。そして、僕が時々アドバイスしてきたことが1つだけある。部屋が散らかっていないかと尋ねてみると、だいたいは散らかっている、と答えるから、まず部屋を片付けなさい、と指示する。一度部屋を見せてくれ、ともいったりする。そうすると、本気になって片付けるようになった。これが、けっこうな確率で効果を出す。最初は、気づかなかったのだが、学生の何人かが、「あのとき部屋を片付けたのが良かった」とあとになって語ったのである。

(略)

むしゃくしゃしているとか、なにも手につかないとか、いらいらしていて、悩んでいて、考えがまとまらない、そういうときがある。やらなければならないことが沢山あるとわかっているのに、手が付けられない状態だ。
そういうときは、なんでも良い。手近なもので良い。やれるもので良い。兎に角何かしてみること。実行することである。そうすることで、周囲が変わる。環境が変わり、視点が動く。なにかをすれば、何かは変わるのだ。
 何か1つをすることで、次にできるものがわかってくる。上手くすると、やる気も出てくるかもしれない。

今の若者に多いのは、「やりたくないな」「嫌だな」という気持ちがあるとできない、という人だ。そういう人は、自分の気持ちを変えたいと考えている。どうしたらこの「嫌だな」を変えられるのか、と考える。「やる気を出すにはどうしたら良いですか?」と聞かれることも多い。
 だが、それは違う。「嫌だな」と思っているその状態のままやる。それが正解である。嫌な気持ちを「やりたい」気持ちに変えるのは、かなり難しい。それよりも、「嫌だ」と思いながら作業を始める方が、ずっと簡単だのだ。難しいことをしようとしているのが間違い。だいたい、仕事も勉強も、みんなやりたくてたっているわけではない。それをいかにも楽しそうに見せようとしている人たちが一部いて、それが誤解の根源だと、僕は考えている。嫌だけどやった方が得だとわかっているから、得と我慢の交換として、やっていることである。

そうですよね。

やはり行動なのだ。
考えることと行動力。

この重要性を改めて感じた。
とにかく、動くことだ。
動くことで、何かが変わる。
この変わるという感覚は、
動いた人しかわなからない。



年をとること。
年を重ねること・・・これで失われるものは、柔軟性と積極性だ。
その一番の理由は、自分の将来の可能性がちいさくなったことだろうと著者はいう。
人生そんなに変わるものではない、という見切りをつけているから、何かの役に立ちそうだという程度では興味が示せない。もっと確実に、しかも今すぐに役に立つものしか取り入れようとしなくなる。

・・・私のことだ!!
と感じてしまった。
そういうことか・・・年をとるとなんでも面倒になるのは、人生の可能性が小さくなってことが一因なんだ。
体が衰えてくることだけが、原因かと思っていた。
あらたな気づきだった。

柔軟性と積極性を失わないためには、頭を動かすことだ。

そがの意味でも、判断をいつもするように気をつけること。すなわち、自分の立場はこちらだと決めつけないで、常に周囲の条件などを評価し、新しい判断をする姿勢が、頭を使い続けることにつながる。
頭を使うって、何を考えたら良いのか?
そう思う人は、すでに頭が固くなっていると思って良い。
 頭というのはいつでも働くものである。たとえば、子供は、なにをしても頭で考える。ところが年を重ねると,次第に無意識に動けるようになっていく。これはいわゆる自動化であり、合理化ともいえる。頭で考えなくてもできるようになってしまう。

(略)

逆に、慣れないことをすれば、頭が働くということだ。なにか新しいことを始めれば、頭が自ずと使われる。どんなジャンルでも良い。どちらかといえば自分が得意ではないことの方が良いかもしれない。その方が頭を多く使うからだ。

「どんなものに興味を持とう」というのは言葉でいうのは簡単だが、実際には非常に難しい。興味は,自分の意思で湧き上がるものではない。だから、自分がどんなものに興味を示すのか、日頃からよく観察している必要があるだろう。そういう方向へ自分を向けることで、興味が湧き、眠気が覚め、頭が回り始める。
さらに、新しいことを始めると、古文の周辺を整理・整頓したくなるかもしれない。これは、多くの人に観察される傾向の1つだ。
 新しいことを始めたときに、頭の中だけでなく、作業をしている部屋など、環境を変えたくなるというのは、やはり思考の具現化のような欲求が人間になる証拠ではないだろうか。
 このような習性がそもそもあるから、部屋を片付けることで、気分が一新する効果が現れるのかも知れない。
 

 最後に一言だけ。
頭のスキルというのは、どうすれば磨かれるのか。
この方法は1つしかない。それは、頭を使うことだ。使っているうちに磨かれるもの。それがスキルである。

考えることだ。

考えることだ。

私の好きな哲学者、池田晶子氏の言葉を思い出す。
「悩むな、考えろ!!」

考えることの重大さ。
森氏も池田氏も立場は違うが同じ事を主張している。

子供はいつも考えている。
私も子供の頃はおそらくいつも考えていたのだろう。

考えることを今一度、
考えてみたい。