年金の繰り下げ受給は本当に得なのだろうか。
社労士として、そして50代当事者として考えてみたい。
あなたは今何才だろうか?
50代?
60代?
老齢年金が気になる年齢だろうか?
我々社会保険労務士の間でも、
50代の知人との話題に上るようになった「年金いつからもらうか問題」。
改めて考えてみたい。
私が繰り上げを考えている理由 まず白状する
今の私の考えは繰り上げ受給だ。
大学生時代の期間が未納期間なのでこの期間を払い終えて62、63歳くらいで受給予定である。
(年金は満額にしたいという意味不明なこだわりがある・・・なぜなんだ 私・・・)
理由は、早くもらってその分投資して運用したい。
まずこれだ。
投資先は全額、S&P500を考えている。
▶ 年金繰り上げはアリか?50代社労士が考える“受け取り時期”のリアルと戦略
早くもらうと減額されるが、それでも一生もらえるのには変わりはない。
しかも途中で投資額を減らして、楽しみに回すこともできる。
体力あるうちに働かずしてお金がもらえる喜び。
この意味は私にとっては、結構大きいと考えている。
ただし、これが誰にでも当てはまるとは思わない。
大事なことなのでそれぞれ自分で、深堀して考えてほしい。
繰り下げると年金はこれだけ増える
繰り下げすると年金が増える。
どれだけ増えるんだろう?
見てみよう。
- 1ヶ月繰り下げるごとに0.7%増加
- 70歳まで待つと42%増
- 75歳まで待つと84%増(2022年改正〜) (でかいよ これは!)
月10万円の人が70歳まで待つと月14万2千円になる計算だ。
・・・月0.7%増加かぁ。
これは魅力的だ。
繰り上げを考えている私でも後ろ髪惹かれる数字。
働かなくてももらえる金額が増えるって魔力的魅力があるものだ。
(それでも繰り上げをする予定なんだけどね、私は・・)
繰り下げで得する人には共通点がある
ここからは繰り下げについて深堀してみたい。
どんな人が繰り下げを考えたほうが良いのだろうか?
それは次のような人だ。
- 健康に自信があり、長生きの自信がある人
体に不安がある人、
早めにもらって楽しみたい人は繰り下げしないほうが良い場合がある。
自分の体力と相談だ。
- 65歳以降も働く予定で、年金がなくても生活できる人
今の仕事を70歳まで続けられるのか?
別の仕事でも良い。
働いて生活費が捻出できるか考えてほしい。
事業収入、不動産収入など安定しているものがあるなら、
その人は繰り下げ候補といえるかもしれない。
- 資産に余裕があり、65〜70歳の5年間を年金なしで乗り越えられる人
今までに十分な虎の子作りに成功した人だ。
配当金や株式売却益などで、年金不要の人たちのことだ。
- 「長生きリスクへの保険」として考えられる人
70歳までは何とかなっても未来は未定だ。
その未来に増額された年金が一生涯もらえたら安心だ。
安心を年金で担保したい人。この人も繰り下げ候補。
何歳まで生きれば元が取れるか 損益分岐点を計算した
一般的な老齢年金の受給開始は65歳である。
65歳から年金をもらう場合と70歳から繰り下げてもらう場合、
何歳まで生きたら70歳でもらったほうが得なのか。
これが損益分岐点だ。
- 70歳まで(5年繰り下げ)・・・だいたい81歳前後
- 75歳まで繰り下げた場合は?(10年繰り下げ)・・・だいたい86歳前後
日本人女性の平均寿命はだいたい87歳(2024年)。
平均寿命まで生きることを考えれば、繰り下げがトータルでもらえる額は多い。
しかし、ここで考えてほしい。
年金を1円でも多くもらいたい。
(その気持ちはわかる)
でもそこばかりをみると見落とすことがある。
それは健康寿命である。
健康寿命は資産寿命を延ばす|50代から本当に守るべき資産とは
健康で87歳まで生きることができれば意味は大いにあると思う。
しかし未来はわからない。
健康寿命は約75歳(女性 令和4年)といわれている。
つまり、
「お金だけで考えるなら繰り下げ有利」
「元気な時間を重視するなら繰り上げも十分あり」
ということになる。
損益分岐点まで元気いっぱい、楽しめる確率はやや低い・・・かもしれない。
未来はわからない。
だから個々人が納得いくまで考える必要があると私は思う。
社労士が教える繰り下げの落とし穴
さらに額が増える繰り下げ年金の不利な点も紹介しよう。
まずは人生に起きる一番大きな「まさか」である。
それは死亡リスクだ。
あなたが繰り下げ中に亡くなってしまうと、
あなた自身は年金を1円たりとももらわずに旅立つことになる。
亡くなった後どう思うかは不明だけど、
生きてる私からみると「これはあかん」と感じる。
そしてもう一つ。
年金が増額するため、所得が増えることになる。
結果、所得税・住民税・医療保険料・介護保険料が引き上がる可能性もある。
(これは、嫌なやつだ!)
75歳まで頑張って繰り下げた、
だけど思ったほど手取りは増えなかったなとなる可能性も考えておいてほしい。
※税と保険料は法改正も多い。そのため具体的に考える際は年金事務所、税務署、市役所などに確認しておくことが必須だ。
それでも私が繰り下げを否定しない理由
では、繰り下げは無駄なのか?
とんでもない。
健康で75歳まで働ける、
そして、長生きリスクが心配だという人にはお勧めの制度だ。
健康ならできるだけ働く。
この選択が取れる人。
しかもどうも自分の資産だけでは不安だという人。
この人にはぜひ選択の候補に入れてほしい。
75歳からもらえる年金額が1.84倍になる。。。
これはでかい。
大きな安心になる。
額にもよるし今後のインフレ状況にもよるけれど、
年金だけでの生活もできるかもしれない。
最後までお金の心配なく生活できそうだ・・・
そう思える精神的安堵感は何にも代えがたいと感じている。
ここまで年金の繰り下げについて、深堀してみた。
あなたはどのタイプだろうか?
一生を左右する重要事項だ。
しっかり考えて決めてほしい。
まずは月々の支出を把握してみてはいかがだろうか?
そして年金をもらうまで働けるか?
年金だけで生活できるのかできないのか。
このあたりも検討してほしい。
未来はわからない。
だからこそ自分が納得するまで考えて決めることが重要だと私は考えている。
年金をあなたの人生で一番生かせる道を見つけてほしい。
まとめ
- 繰り下げると年金は最大84%増える
- 得する人・損する人の条件がある
- 損益分岐点は70歳受給なら約81歳
- 落とし穴を知ってから選ぶのが正解
- 私は繰り上げを考えている。でも繰り下げが合う人は確実にいる
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